【超重要】昨日(7/30)の中央政治局会議要点解析!

 前々から米国ADRの中国企業に投資する時に中国の公文書をかならず見るべきとずっと話しています。

チャイナリスクとは何か!冷静になれ

中国の政策の本質を理解せよ




昨日(7/30)、月一回の中国共産党の中央政治局会議が開かれました。

政治局会議とは何かをWikipediaをすこし引用させていただきます。

中国共産党の最高指導機関は通常5年に一度開かれる全国代表大会(党大会)と、党大会によって選出され、党大会閉会中にその職権を代行する党中央委員会であるが、中央委員会も毎年1回程度しか開かれないため、平常時における党の指導および政策決定は、中央委員会全体会議によって選出される党中央政治局が行う。政治局は中央委員会全体会議の閉会中に中央委員会の職権を行使し、党大会や中央委員会全体会議で採択された路線や方針、政策を執行する。

 企業で言うと、党大会は株主総会で、党中央委員会は役員会/経営会議みたいなものですね。そして政治局会議は各政策(国レベルのテーマ?プロジェクト?)のステアリングコミッティのような会議体と中華社畜が理解しています。

 この中に中国の政策の舵取り方、進捗、方針の微調整等を観察することができると考えています。

 さて、ここ2週間、かなりの動きを示している中国が政治局会議でどんな話、コメントをしているのか見てみましょう!

 「データ分析」と同じように、ただ単に内容を見たら何にも見いだせないです。重要なのは比較です。参照物を定めるこそ分析の定番方法です。

 3か月前の政治局会議の内容と比べてみましょう。赤字部分を注意してください。

1.情勢全般

4月:経済が著しく回復を示しているが、弁証法的に1Qの経済データを見る。経済の回復状況はバランスが取れていない。基礎が固まれていない。

   ※弁証法的というのは中国の公文書によく出てくる言葉です。「両面的に見る」という意味が大きいです。

昨日:経済が安定的に回復している。依然として回復水準がアンバランス。コロナ情勢が変わり続けている。外部環境が複雑、かつ厳しくなっている

2.コア方針

4月:プレッシャーの少ない谷間の時期を利用し、マクロ政策をしっかり安定的に、持続的に、急ハンドルしないように落し込んでいく。

昨日:全体的に全面的に新しい発展の理念を徹底する。マクロ政策を周期的に調整しながら、マクロ政策の持続性、安定性を維持する。今年、来年のマクロ政策の引継ぎを全体的に行う。コモディティ価格の安定をしっかり徹底する。

注意点:急ハンドルの文字が消えた。引継ぎという言葉に注意。

3.貨幣政策

4月:穏健的な貨幣政策が流動性の余裕も持つべき。実態経済、重点領域、弱小部分のサポートをしっかり行う。人民元レートは合理的な範囲内での安定性を保つ。

昨日:穏健的な貨幣政策が流動性の余裕も持つべき。中小企業と困難企業の持続的回復をサポートする。マクロ政策の自主性を強める。人民元レートは合理的な範囲内での安定性を保つ。

4.ファイナンス政策

4月:積極的に財務政策を落し込んでいく。経済構成を改良できるレバレッジ作用を生かす。

昨日:予算内投資と地方政府債券発行の進捗を合理的に把握する。

5.経済成長

4月:経済を合理的な範囲で運転し、その後、バランスを取りながら、高水準に達する。

昨日:経済を合理的な範囲で運転

6.資本市場

4月:言及されていかった。

昨日海外上場の監督制度を補完

7.リスク解消

4月:経済金融リスクを未然防止。地方主要リーダーの財政金融リスク対応策を組む。

昨日:重点領域のリスクを解消。地方主要リーダーの財政金融リスク対応策を落し込む。

8.科学イノベーション

4月:国家戦略科学力を向上させる。工業インターネット、デジタル産業の発展を加速。

昨日:科学イノベーションとサプライチェーンの強さを強化する。基礎研究・応用研究を推進。サプライチェーンの弱小部分の補完を急ぐ。特に強い分野に精通する企業を育てる。

→半導体チップなどと思います。

9.消費拡大

4月:全体的に豊になるように。都市部農村部を偏重なく収入を増加させ、内需を拡大する。

昨日:国内マーケットの潜在力を発掘する。新エネルギー自動車の発展を加速させる。農村部へのECマーケットと物流を増強する。

→ここを見て私はいろんな意味でほっとする。新エネルギー自動車をわざわざ言っていますよ!みなさん。

10.投資成長

4月:製造業投資と民間投資を回復させる。国家重大プロジェクトの用地の保障をする。

昨日:企業に技術改造投資をするように促進する。重大プロジェクト建設を加速せよ。

チャイナリスクとは何か!冷静になれでは中国が「量から質重視」に変貌すると話している。まさにこれだ。

11.不動産

4月:不動産は済むためにある。学区不動産の名義で不動産価格を上げる行為を防ぐ。

昨日:不動産は済むためにある。不動産価格を安定させる。不動産の賃貸市場を発展する。税収政策の策定をサポートする。

→価格安定!賃貸市場!

12.人口政策

4月:言及されていなかった。

昨日3児政策をしっかり落し込む。生育・養育・教育のセット政策を策定


 皆さん。いかがですか。今の中国の政策が転換点を迎えていると思います。赤字の部分はいろんなメッセージが含まれています。それをどう解釈するかは今後10年の投資ポリシーにきわめて影響すると思います。

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コメント


  1. TAL株で大きな痛手を負った者です。
    先の私のコメントにお返事いただけましたこと心から感謝です。
    そして米国ADRの中国株は中華社畜様のような方でも難しいんだなぁ…自分などは絶対静観だな…と考えておりました、が…

    こちらの解説を読むと 今度は NIOに興味を持ってしまいました。笑

    でも今度は お金儲け ということよりも、お隣の中国というお国、政治に対する興味です。

    ものすごく大きい国土
    ものすごく多い人口
    パワフルな国民性
    これを共産主義という
    未だ成功例のないシステム
    でコントロールしようとする
    すごいチャレンジですよね。

    ここに株式債券市場があること自体、矛盾と現実と思想と…
    す すごい チャレンジとしか言いようがない。

    果たして 出来るのか?

    TALの損失は めちゃくちゃ痛いけど こんなことでもなければ こんなに中国に興味は湧かなかったと思います。
    正直。

    とにかく今は何も知らない私ですので、
    まずは中華社畜様のご意見 たくさん聞きたいです。

    返信削除
  2. ありがとうございます。

    なんと・・・

    今NIOとTESLAを書いているところです・・

    ファイナンス面は多数分析されているので、別の角度からです。

    よろしくお願いします。

    返信削除

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