中国学習塾の次の一手は?



 先週から中国の教育関連株が軒並み大暴落でしたね。先週の分析と雑感は↓をご覧ください。

 ● EDUを打診買い!

 ● チャイナリスクとは何か?この時こそ冷静になれ

 教育関連株の暴落の背景は主に2つあります。

 1.学習塾での教育が盛んになり、教育不平等の現象が深刻化し、少子化問題にまでつながっているという判断

 2.これまでの学習塾を非営利機関に登録し、新規許可は禁止したと報じた。また、教育機関の企業公開を認めず、上場会社が教育機関に資金を投資することも禁止

 下図を見てみてください・・・・・



 しかし、今日は新たな動きが出たようです。

キーワード1

<体育・芸術・科技>

 「啓信宝」という企業情報調査プラットフォーム(日本でいう「東京商工リサーチ」みたいなサービス)によると、新東方(EDU)と好未来(TAL)が6月下旬から7月にかけて新しく子会社をいくつか設立しました。また、蘇州で設立されていた会社が経営の範囲の変更申請も行われました。「芸術」「体育」「科技」等のジャンルを拡張しました。

 中国国務院の公文書を再度読み返しましょう。 

 

 上の意味は「各省庁は義務教育期間内の学生の学科類の学校外教育機構の新設を禁止。しかし、体育、文化芸術、科技等のジャンルをは区別対応する必要がある。種類別に規定を作成し、厳しく審査せよ

 あれ?事前になんか知らされましたかね。見事に「体育・芸術・科技」というキーワードをヒットさせましたね。

キーワード2

<学童保育>

 さらに好未来(TAL)が北京で新しく2社を作りました。サービス対象は小学生で、平日の15時半~20時までがサービス時間です。あれ?対象が小学生だと???

 はい、ここのポイントはこのサービスは学童保育です。学校外の学習塾ではありません。微妙に言葉の意味の理解が異なるかもしれませんが、中国語の原文も掲示します。

 ・託管=学童保育 ポイントは自主的な勉強と活動です。

 ・学校外培訓=学校外学習塾 ポイントは先生の指導です。

ん~ん~~~~~

 これはセーフかどうかもはやわかりません。下図はTALの新しいサービスの時間割です。翻訳は割愛ね

 



キーワード3

<コンテンツ>

 これは一番要注意のところだと思います。よく理解する必要があります。

 今回の規制は長期的に中国の学校教育のレベルを押し上げると私は思います。規制文書の中では「今まで学校内の教育水準を落とし、学校外で補習することが多いが、これは厳しく取り締まるべき。教育の主体は学校でないといけない」という意味のくだりがありました。

教育の主体は学校!!

 なんか日本のITゼネコン、システム外注に似ていませんか。ろくに要件の検討もせず、一括請負で外注に投げる大手事業会社の情シスがいますね。

 学校はきちんと教育しろよというメッセージです。学習塾が教育の主体ではありません。しかし、「コンテンツ、ツール、カリキュラム等のコア資産は大事に」とも言っています。つまり、学習塾はこれまでのシステム会社のSEという役割(人月商売)から「コンテンツ制作をして、学校に提供する」メーカー機能あるいは学校の先生をコンサルする機能への転換は十分可能性としてあるということです。

 要は「学習塾の商売の相手を学生から学校(先生)に変えるというビジネスモデル転換ができるか、許されるか」が肝心なところですね。

 これが本当にできるとすごいことだと思います。だって、今の日本の学習塾も学校がまだやっていない内容をどんどん子供に詰めているもん、、塾に通えない生徒が教育格差の犠牲になりますかね。。そこは不明です。コメントで教えてくださいね(笑)

 中国は国の力があるからこそ一斉に方針転換ができると思います。現時点の良しあしはわからないですが・・こんなの民主主義国家では一発アウトですね。

 ただ、私のブログをご覧になっている方は「正解が1つではない」ということを理解されている方が多いと思います。中国の在り方、やり方も1つの選択肢として見守っていただければと思います。

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コメント

  1. 初めて拝見いたしました。とてもためになるブログで感銘を受けました!これからも続けてください。ツイッターはされてますか?フォローさせていただきます

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