TESLA教&NIO教 ー すこし違う角度から中国の電気自動車市場を見る


  先週TESLAのER(短信)が発表されました。またすごい成績ですね。ついでにAPPLEをディスりましたが、両方持っている中華社畜からしては、喧嘩しないでって言いたいですww

 ファイナンス面ではいろんなところですでに十分分析されていますので、割愛します。今回は中国でのライバルのNIOとTESLAのオーナーの熱狂ぶりの最新情報から両社の将来性をすこし考えてみたいと思います。

 私はTESLAとAPPLE以外、もちろんNIOも持っています。19年武漢政府が投資発表をした直後に買っていました。直感的に(政府の支持で)これはいけると思いました。

 中国の電気自動車市場には3大メーカーがあります。XPEV、LIとNIOです。XPEVは自動運転ソフトが優れているようで、20ドル台からすこしずつ積立ています。LIは調べる余力がないので、買っていません。NIOはTESLAほど買っていませんが、そこそこ持っています。最後のTESLAは2018年頃上海工場建設のニュースで買いました。これもね、政府の支持を得られればきっといけるという信念でした。本当に信念でしたね。2018年9月、ゴールドマン(GS)がTESLAをぼろくそ言いましたね。当時の逆風を思い出すと、自分が本当にTESLAへの信念で売らなかったなぁと思いました。

 私から見ると、TESLAもNIOも結局政府のバックボーンが最大の原動力でした。TESLAの技術でもNIOの技術でもありませんでした。TESLAとNIOへの信仰心というより、中国政府を信じていましたね(笑)。もちろん政府の支持があったけど、くそみたいな中国電気自動車メーカーがめちゃ存在していました。TESLAとNIOがそこから開花させ、実りました。

 さて、信仰心の話に戻ります。最近ある中国のTESLAとNIOのオーナーに関する文章を読みましたが、そこで初めて、私の信仰心より中国のTESLAとNIOオーナーの信仰心に感服しました。

 その記事はこちらですが、中国語なので、すこし抜粋して、私の解釈も入れて話したいと思います。

 日本ではおそらく全く実感できませんが、TESLAとNIOオーナーはオーナーというより、ファンクラブに発展しつつあります。いや宗教かもしれません笑。

両オーナーの共通点:情熱

 TESLAに詳しい方は中国で今年4月に上海モーターショーでTESLA車のルーフに登り、大声で「ブレーキが利かないよ」叫んでいたTESLA車女性オーナーをしていると思います。陰謀論は置いといて、そのニュースが中国全土に瞬く間に広がり、エビデンスが何にもないにもかかわらず、非常に悪い影響をTESLAにもたらされました。


 一時期、TESLA車のオーナーがショッピングモールの駐車場に入る時も冷たい目で見られていたという話をよく聞きました。当然その時に一番焦ったのはTESLA中国の役員たちでしょう。TESLAは広告宣伝費を出さないのが有名で、マスク氏が十分その役割を果たしていますね。広告宣伝費という会計科目は私もあまり好きではないですが、好きなSNS経由のメディアが多数います。有名車メーカーの広告宣伝費で生きている車専門ブロガーが中国には多数います。しかし、TESLAがまったく稼がせてくれないので、ここぞとばかりに攻撃を仕掛けてきました。一時期(4月~6月)、TESLA中国が大変な状況にありました。

 その大変な状況で自発的に動いでいるのはTESLA車オーナーです。例えばこちらのオーナーが8人のオーナーを集めて、TESLAの安全性をアピールする動画を撮りました。この動画を中国版Twitter(Weibo)でTESLA中国の朱総裁にも転送されました。

 


 また、オーナーたちが自発的に非常に面白い応援文も作成し、SNSでインフルエンスされています。

 NIOオーナーも負けていません。NIOオーナー同士が兄弟の絆を結んだように、一緒にイベントに出たりしています。NIOは中国では独自のアプリがあります。通常の予約・充電サービスはもちろん、買い物もできますし、なんとオーナー間のチャットもできます。中国一のチャットアプリWechatよりNIOアプリに費やした時間のほうが多いオーナーも多数いるとのことです。

 それ以外、オーナーたちが毎日Wechatのタイムラインで、TESLA・NIOを拡散しています。拡散内容は決算短信や毎月の成約件数、受け渡し件数、そしてマスクの誕生日への祝福もあります。

 多くのTESLA・NIOオーナーが「そのメーカーに勤めているの?」ぐらいTESLAとNIOを愛しています。

 TESLAオーナーが誇りに思っているのはTESLAの未来感のあるデザインとテクノロジーです。

 NIOオーナーが誇りに思っているのはNIOのサービスです。「初回オーナーが終身電池交換無料」など、ファイナンス面大丈夫?と思うぐらいですね。

 両社のオーナーがボランティアもやっています。週末の時間を使って、新しいユーザや潜在ユーザに対し、車の特徴やシステムの痒いところの説明までやっているそうです。

 日本では絶対信じられない1つNIOオーナーのボランティア活動は下図のような広告まで無償で出しましたと、しかも連続ドラマのように、オーナーがリレーしています。


両オーナーの相違点

 NIO:会社関与+自発
TESLA:自発

 TESLAオーナーはマスク氏の言動が唯一の指針で動いていますが、
NIOが積極的にオーナーとの連携プレイ、オーナーコミュニティを形成させています。

  ・NIOアプリ

  ・NIO体験センター

  ・NIO Day

 等で盛り上げています。


 TESLAオーナーの話ではNIOオーナーが今までの自分たちと似ていると話しています。その時中国では数万台しかないため、オーナー間の絆も深かったです。海外で母国の人にあったみたいな感じですね。しかし、上海工場量産できた後、凄まじいスピードで販売したテスラオーナーもそんなに珍しくなくなりました。テスラがコストダウンで販売価格も下げました。新規オーナーにとって、複雑な気持ちになりますね。NIOはほとんど値下げていないです。車って大きい消耗品なのに、不動産扱いされてしまいそうですね。

 テスラが上海モーターショー事件の後、すこし中国戦略を反省しているようで、オーナーとのつながりを増やしています。下図はTESLAオーナークラブ年次総会の写真です。

 

まとめ

 情熱と忠誠心が両社オーナーの共通点です。ガソリン車オーナーがたとえ高級車オーナーでもそこまでの熱狂ぶりはないと思います。BMWオーナーが来年ベンツオーナーになるかもしれません。この忠誠心が長期オーナーだけでなく、インフルエンサーの役割も果たしています。また、ターゲットが今後ますます「富裕になる・多くなる」中国の中間層なので、この中間層への刺激(活性化)がさらに別のビジネスチャンスを生む可能性が大きいです。オーナー間のコミュニケーションでビジネスをまとめたシーンもあると聞いています。メーカーがそのシーンにしっかり入り込むことができたら、どんな化学反応が起きるのでしょう。いろいろ楽しみにしています。

 いずれ、他の所有株と同じように、TESLAもNIOも私は売りません!

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